皆さんこんにちは!
アートプロセスマガジン編集長吉原です。
今月16日は熊本地震の本震から丸5年を迎えます。
まだまだ仮設住宅での生活を余儀なくされている方々も多くいらっしゃる状況ではありますが、先日の阿蘇大橋開通や熊本城天守内部の一般公開を今月控えるなど一歩一歩復興への歩みは進んでいます。
そうして5年の節目を迎える今、改めて当時を振り返り、震災で経験したことや当社がこれまで取り組んでことについてご紹介させて頂こうと思います!
■当時を振り返る
震災当時、当社スタッフは全員怪我も無く幸い無事でした。しかし散乱した本棚や、転倒したロッカーなどの片付け、機材関係の復旧など通常業務へ戻るには先の見通せない状況でした。
このような状況の中で今でも非常に心に残っていることは、クライアント様やメーカー様、いつもご協力いただいているブレーンさんからの沢山の暖かいご支援を頂いたことです。
深夜に起きた本震で会社が停電。サーバ関係の無停電装置もバッテリーに限りがあり、システムを守るためにいち早くシャットダウンしなければならない状況でした。
スタッフは被災直後で動けない状況の中、名古屋のブレーン様がニュース速報を見ていち早く状況を察知。深夜にも関わらずリモートでサーバ類の監視とシャットダウンを行っていただき、朝までシステムを守ってくださいました。
そして本震から2日目には、福岡のメーカー様が車いっぱいに非常食を積んで来てくださいました。高速道路は通行止め、余震も続いている中でしたが、下道を通って持ってきてくださり「必要なだけどうぞ!」と笑顔で一言。さらに、転倒して破損したPCの代替えにと予備のPCまで持ってきてくださいました。
また、熊本のクライアント様からは「福岡で水を沢山買ってきたけん、今から持っていくよ!」とのご連絡。会社が断水し、水の確保に動いている時でしたので非常にありがたかったです。
さらに印刷機器の復旧に来ていただたエンジニアの方々は、ご自身も被災者だったにも関わらずいち早く駆けつけてくださり、機器の復旧にご尽力いただいた事も忘れられません。
■震災後の当社取り組み
当時、当社は幸い大きな被害はありませんでしたが、周辺のお客様やパートナー企業様の中には被害を受けられた会社様も多くいらっしゃいました。
このような状況下で、「いま私たちは何をすることができるのか?」そのことについて社員で話し合いを行いました。様々な意見を出し合う中で、当社が得意とするデザイン力や屋外広告のノウハウを活用した支援ができるのではないかとの考えから、災害支援物資を運ぶ輸送車に取り付ける幕や建物の危険を知らせるステッカー、復興を応援するステッカーなどをデザイン〜製作して、必要とされる関係各所へ配布させて頂きました。
■震災当時のスタッフエピソード紹介
当社スタッフに震災当時を振り返り、身の回りで起きたほっこりするエピソードや心温まるエピソードを教えてもらいましたのでご紹介します!!
営業部 男性 Yさん
当時地震により自宅のガスが止まり5日ほど温水を使えない生活をしていました。気軽にお湯が使えない生活がここまで大変なのかと実感していた時、ふと自宅アパートがプロパンガスだったことを思い出し、外にあるガス栓を見ると地震の揺れによって自動でOFFになっているだけでした。。
何度もお湯を沸かして身体を洗っていたあの5日間は貴重な経験だったと自分自身に言い聞かせています。
経理部 女性 Kさん
本震のあと犬も猫も一緒に車中泊をしている中、ちょっと大きな余震が起きた時にびっくりした猫が逃げ出しました。その後どんなに探しても見つからず、近所に貼り紙をしたり動物管理センターへ迷い猫のお尋ねしましたが該当する猫はいませんでした。
もうだめか…と諦めかけた13日目の朝、ガリガリに痩せた猫がしっかりとした足取りで玄関から帰宅!喜ぶ家族を横目にガツガツガツとご飯を食べ自分のベットで爆睡。猫はどこまでもマイペースでした。
動物管理センターへ、帰ってきましたと連絡した時に「よかったですねー!!」と涙声で喜んで下さったことは今でも覚えています。猫は、地震が起きた時恐怖から狭い所に隠れ、安心するまで出てこない習性があるとのこと。ペットを飼われているご家庭では、防災グッズの中にペット用の避難グッズも常備し災害時に守れる準備をしておくことも大事だと思いました。
営業部 男性 Eさん
2回にわたる大きな揺れで、住んでいる部屋がグチャグチャになり、生活することがままならなくったので、何日間かは月極で借りている駐車場で車中泊をして過ごしました。そこで、いつもは見知らぬご近所さん達の姿を初めて知りました。まだコンビニなどが通常営業しておらず、食べ物が心許ないそんなある時、車の外でなんとなく過ごしていると、同じ駐車場で車中泊をしていたご年配夫婦の女性から「いっぱいあるから、よかったらどうぞ」と、インスタントラーメンをお裾分けしてくれました。とても嬉しかったことを思い出します。
誰もが見通しが立たない不安な中で、見知らぬ人に優しくできるなんて、すごいなあと思ったと同時に嬉しくなり小さな希望みたいなものが湧き上がったのを覚えています。とても大変な経験でしたが、いろんな人たちの助け合いや思いやりの空気が満ちていたように思います。不謹慎かもしれませんが、そういう意味では、人の本来持ってるいい面が、垣間見れたいい経験でした。
■最後に
震災から5年が経ち、私にとっては長かったような、あっという間だったような不思議な気持ちでいます。ただこうして当時を振り返ると色々な記憶が思い出され、改めて人と人との繋がりをより強く感じられた時期だったと思い返すことができました。
コロナ禍の今だからこそ、あの時の思いやりや助け合いの精神を忘れることなく、これからもクライアント様に寄り添い、より良いお仕事をサポートしていけるような商品やサービスをご提供していきたいと思います。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
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